ALGuide2018
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14限られた授業時間に多くの情報を多くの学習者に伝える必要がある場合、講義法による一斉授業の形態が最も効率的であり採用されることの多い方法です。しかしながら、講義法の利点をもってしても、絶え間なく技術革新が進み、知識が日々更新されていく現代の知識基盤社会においては、関連する知識の全てを伝達しようとするには限界があるようにも思われます。講義法は今もなお目的によっては効果を発揮する重要な方法ですが、100年以上前にこの方法が日本に持ち込まれた時代よりも、はるかに専門領域が細分化され広く枝分かれする形でそれぞれの脈を深く伸ばしている現在の高等教育の場面では、改良されていく必要もあります。特に、資格対応など基礎的な知識の定着が試されることと、学問に親しみ探求の喜びを味わう指向性を養うこととを両立して伸ばそうと考えると、教授方法の使い分けを検討せざるを得ません。基礎的な知識の定着にはくり返し確認できる環境が必要です。学習者の資質によって、一度で理解し知識を定着させられる者もいれば、何度も確認しながら理解を深めていく者もいます。基礎を解説した書籍があれば、それを何度も読み返すことでくり返しの確認が可能ですが、現代の情報環境の進歩を考えると、教員の講義を動画コンテンツとして記録して提供することも容易になっており、活用できる可能性があります。書籍よりも早く最新の情報と基礎的な知識を結びつけて解説できるというところが講義法の強みだと言えますが、その講義を動画コンテンツとして記録することで、学習者が情報量の多い授業の工夫4情報量と活動量のバランス設計くり返し学ぶための環境の提供

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