ALGuide2018
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15くり返し確認して学び直せる環境を提供することも可能になってきています。このような環境を提供できるようになると、基礎的な知識の定着の一部を動画コンテンツの利用によって促すという授業設計も可能になります。同時に、得られた知識を使って考えたり、応用課題を解決するといった活動に取り組むことで知識が深まり、運用できる形で身についていくことも期待されます。ここで、動画コンテンツによる情報伝達を授業時間外の学習として事前に済ませ、対面の授業ではその情報・知識を前提にした実践的、応用的な課題に取り組もうと考える授業設計があり、反転授業と呼ばれています。講義の動画コンテンツ化については、スライド作成のソフトウェアの進歩によって、パソコンでスライドを見せながら講義を進めている教員がその講義を動画コンテンツに仕上げることは容易になりました。動画コンテンツによって講義の一部をまかなうことができれば、その分の時間をつかって、学習者同士あるいは学習者と教員との間で直接的な考えの交流に時間を費やすことができるようになります。先のアクティブ・ラーニングの説明のとおり、思考を外化する機会があることで、学びの度合いを測ることができるだけでなく、理解を深めることもできます。学生は、理解の深まりを実感し、得られた知識を使って新しい考えを導き出すという学問の喜びを感じ、専門的な技能を活かして「役に立った」という実感を感じられてこそ、学ぶことに主体的になれるのかもしれません。そのような「美味しさ」を味わうことなしに、ストイックに「基礎練習」だけを続けるというのは、持続可能なモデルとは言えません。知識と共にある面白さを積極的に伝えていくことが求められています。

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