ALGuide2018
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3の契機になるのです。このように、学習内容をできるだけ多くの学生が適切に理解できるようにするための手段としてアクティブ・ラーニングを位置づけることができます。二つ目に、認知プロセスの外化は、そのまま授業の教材になるという点が挙げられます。考えるという作業は通常は学生の頭の中だけで閉じた形でなされていました。しかし、それを外に出すことで、その誰かの思考自体について考えることができるようになります。教員がその外化されたものに対して、どのような点が優れているかや、どのような点を補えばもっとよくなるかについて授業内で説明すれば、外化した当の学生だけでなく、その他の受講生にとっても有意義な情報になるでしょう。また、教員による指導の材料となるだけでなく、学生同士の協働作業の材料にもなります。複数の人と協働して考えることで、対象について様々な角度から考えたり、理解を深めたりすることができるようになります。このように、「考え方」自体について学生が意識的に考えるようになることで、対象の理解が深まるとともに、学び方についても意識的になれると言えるでしょう。アクティブ・ラーニングを取り入れることで、多くの学生を到達目標にたどり着かせることができるようになるとともに、「考え方」自体について多角的に考えられるようになるため、対象に対して深く理解しやすくなります。これらのことは、学生の「学び方」を鍛える契機であるとも言えるでしょう。

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