LACS活用ガイドブック
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38使用後の感想・留意点 上述したように、たいへんなことですが、受講学生との約束を守ることが大切です。 留意点として、LACSのテキストボックス中での編集は結構、厄介です。ファイルを別途、WORDなどで作成しておいて、そこから最後にコピー・ペーストしないと、膨大な時間と手間がかかりますので、初めての教員は留意して下さい。また、実際に公開された画面や届いたメールを見ないと、文中でのスペースの配置がどうなっているかがわかりません。この辺は、試行錯誤です。 1年生前期も6月ごろになると、全員がアクセスしなくなってきます。相当数の学生は、早めに見た学生がLineなどに転写してしたのを見るそうです。そうなると、伝達すべき情報が途中で欠けたり、課題のヒントが出回ったりする上、教員が情報へのアクセス状況をunderestimateすることになります。 その対策として、LACS上でしかできないクイズを載せる手が有効であるのはわかっていますが、そこまで手を回すにはTAが必要でしょう。本学執行部がTA経費を大幅削減したり、学生がプリントする機会を減らしたりしており、教育環境の劣化が危惧されています。 ② 授業資料 等倍印刷すればA4またはA3サイズの資料(計15ページ)を毎年度、内容を磨いて作成し、pdf化しています。1回目の授業は4月初めであるため、全員に行き渡るように、プリントp. 1~4配布しますが、同時にLACSの「授業資料」にもアップロードします(複数のpdfに分かれており、後半のページは、後日にアップロードすることもあります)。この資料は白黒です。2回目の講義からは、各自で印刷して持参するか、講義室で各自の端末で閲覧しながら聴講するように要請しています。この15ページ資料は、講義の教科書として位置付けています。なお、講義では別に、松林玄悦著「化学結合の基礎」(三共出版)を教科書、伏見康治著「光る原子、波うつ電子」(丸善)を必読参考書としてシラバスで指定し、受講者全員が購入しています。加えて、Shriver & Atkins, Inorganic Chemistry, 5th Ed (Oxford)を参考書指定しています。15ページ資料は、上記の市販教科書の補完だけでなく、教科書上から抹消させた不適切な段落の差し替えも含みます。その資料のp. 1~4にはGuiding Policyが載っており、講義の進め方、評価の方法、レポートの提出方法、参考図書の位置づけが記載されています(次ページの掲載例(1)を参照)。さらに、勉強の心構え、講義の位置づけ、受講のコツ、化学の勉強のコツ、着席位置の重要性、過去の不合格者に共通する様態、高校で学んだ不十分な理解に固執することの危険性などが丁寧に記述されています。 15ぺージ資料に加え、4つの補足資料をpdfでアップロードします。そのうちの1つは、「世界標準のシラバス」(次々ページの掲載例(3)を参照)で、他国の標準的な化学系の大学1年次生に対し、入学まで前までに学ぶべきこととして、何を求めているかを示しています。日本の化学教育の内容と深さが、世界レベル比べて少なくとも1年間分は遅れていることを認識してもらうことが目的です。これを読めば、死に物狂いで勉強しないと、世界と勝負できないことがわかります。この世界との差は、ゆとり教育から脱却したとされる今でさえ、詰まっていないどころか、拡大しつつあるようです。 長崎大学LACS活用ガイドブック

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