ティーチングティップス
10/48

9   長大教員のためのティーチングティップスしっかりと伝える授業キーワード| 話し方 資料 板書03① 話し方の工夫■話す速さはゆっくりと、声の大きさは大小の差をつけて、話してみてください。■マイクを使うと教室全体に均一に声を届けられますが、声の方向がなくなってしまいます。注目させたいときに限り地声で話すことで、声の出どころに学生の意識が向けられます。■意図的な沈黙あるいは間を適切に入れることで、学生の注意を引くことができます。間をおくときには視線を学生に向けていることで、それが意図的だと知らせることができます。■学生に聴く以外の様々な活動させることによっても、話に新しいリズムを加えることができ、学生も気分を切り替えて集中することができます。いわゆる座学の授業では、教科書やプリントやスライドや板書などの資料と先生の話によって、知識をはじめとするさまざまなものを伝えます。学生にしっかりと知識を受け取ってもらうために、話し方を工夫することができます。座学中心の授業では長時間の話になり、どうしても同じ速さ、同じ大きさ、一定のリズムで話し続けてしまいがちです。そのような話しを聴きながら長時間にわたって集中を保つことは、誰にとっても難しいものです。教員としては学生の注意を維持できるように、話す速さ、声の大きさと方向、間のとり方などを意識的に変えることから工夫してみるのもよいかもしれません。話し方の技能を身につけるにはそれなりの訓練が必要ですが、長崎大学で開催されている話し方をテーマにしたFD講習会を利用することもできます。② スライド資料の工夫■覚えさせたい部分や考えさせたい部分は、キーワードと端的な言い回しを使って表記すると印象に残ります。授業をする際に、パワーポイントなどのスライド資料を作成して使用される先生も増えてきています。スライド資料を授業前に作成しておくと、話す内容を精査して授業を組み立てることができます。そして、一度しっかりとしたスライド資料をつくっておけば、改訂作業を繰り返しながら翌年以降も使い続けることができるため、有益です。また、学生にとっては、整ったスライド資料があると「この授業で大切なこと」を理解する上で助けになります。スライド資料を印刷して配付するかどうかについては、教育上の意図によって判断が分かれるところですので、どちらの方が適切だということはありません。ただ、教科書や参考書を指定せず、スライド資料が唯一の教材である場合、内容をノートに書き写すことだけに労力を費やしてしまうと、学生が主体的に思考する時間を減らしてしまう恐れがあります。スライド資料を見やすく伝わりやすいものにするための工夫のしどころとしては、以下の4点が挙げられます。

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

page 10

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です