ティーチングティップス
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14③ 教員も学びのコミュニティの一員になる■LACSの掲示板のようなシステムを上手く活用できると、授業時間外の学習を促し、学び合うコミュニティをつくることもできます。学びのコミュニティをわかりやすく意識させるための工夫として、たとえば、LACSの掲示板機能を使って授業の振り返りを記入させるという方法もあります。掲示板では、他の学生のコメントを読むこともでき、書き込みに対して教員がコメントを返せば、それをクラスの全員が共有して読むことができます。学生の中に1人でも的確な論点で考察している者がいれば、その書き込みに発展的なコメントを返すことで、学びのモデルを示すことができます。そうやって、授業に参加している者同士が学び合う「場」を形成することができます。もちろん、授業中に濃密なやり取りが成立することも理想的ですが、授業外の時間に落ち着いて考えて意見を共有することも有益です。② 挑戦することを応援する■授業中に学生が発言したら、賞賛してあげてください。「良い考えですね。ありがとう!」の一言でも、学生たちのモチベーションを上げる可能性があります。■可能な場合は、学生の発言内容をその後の講義に関連づけて話に取り入れることでも、賞賛することと同様の意味があります。授業の雰囲気は教員だけでつくっていけるものではありません。良い雰囲気の授業では、教員と学生の呼応関係があり、教員の教育的意図と学生の意欲がマッチしているように見えます。この相互の関係を作り上げていくのは簡単ではありませんが、どうにかして実現したいものです。学生が教員の問いかけに答えたときは雰囲気を向上させる絶好の機会です。その学生の勇気と貢献に賞賛を与えてあげてください。安心して表現できる場が確保されていることがわかれば、学生も授業に関わることが楽しくなるはずです。学生同士のグループワークにおいても、メンバーそれぞれがユニークな知性を発揮することにおいて、否定されたり、見下されたりしないように、気を配ってください。学生間でもそのような不安を無くしていけるように、互いに働きかけ合えるよう雰囲気づくりをする必要があります。(2)同時に声を出してしまったり、3秒(目安)以上沈黙してしまったりしたら、初めからやり直します。(3)空気を読みすぎても、読まなさすぎても上手くいかない、関係調整のゲームです。全員が必ず1回は数えることを目指します。■3つの質問([8], pp.51-52)(1)ペアを組みます。(2)じゃんけんをして、勝った人が負けた人に、短く答えられる簡単な質問をします。3回の質問と回答を連続して繰り返します。(3)終わったら、負けた人から同様に3つの質問をします。(4)じゃんけんと3つの質問を制限時間(3分〜5分程度)になるまで、同じペアの間で繰り返します。

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