ティーチングティップス
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18⑤ 最近はパソコンで質の高い情報が得られる■「Googleは調査のきっかけとして使うには優れたツール[9]ですが、情報の信頼性はデータベースのほうが高いため、データベースのほうが楽に使える」などを学生に伝えてください。■「データベースは図書館のwebページからたどれる」「大学のwiを使えばデータベースが使える」と教えてあげてください。インターネットではなく本で調べさせることは、「質の高い情報がまとまっていて、情報の真偽について比較的悩む必要がない」という意味で教育的な価値があると考えます。同時に本学では、有料のデータベースを数多く契約していることもあり、質の高い情報を、インターネットを通じて手に入れることができます。トップジャーナルを含む数多くの日本語・英語論文だけでなく、「30年以上の朝日・日経・西日本新聞の縮刷版」『日本大百科全書』『日本国語大辞典』『国史大辞典』『現代用語の基礎知識』『会社四季報』など初年次の学生にとって有用なものも数多くあります。しかし、これらを利用できることは「Google」などの検索エンジンを使っているだけでは気づくことができません。図書館ガイダンスだけではなく、教員からもこの有用なデータベースについて、教えてあげてください。④ 考察を求める場合は「例」を学生に示す■初年次セミナーではまず単純に意見を述べさせるところから始めてください。■必要に応じて、考察が書かれた「例」を学生に示すことも有効です。「考察も求める場合は、考察のしかたも学生に教えてください」と言いたいのですが、「考察のしかた」を短い時間で学生に教えるのは相当困難です。「考察のしかた」を学ぶことが大学での学びそのものだと考えられるからです。しかし、自ら考えさせることを諦めたくはありません。そこで、考察の前に、2つの説を簡単に教員から示した上で「あなたはどちらだと考えますか」と意見を述べさせる、などの工夫ができます。■事実を問う場合でも、複数の本にあたれば異なる考えが書かれているような事柄を問うてみると、調べて比較する必要性を学生に実感させることができます。■「長崎のキリスト教文化とは何か(What)」と「なぜ長崎県でキリスト教が定着したのか(Why)」は問いとしては同じですが、What型よりもWhy型のほうが学生はイメージしやすく、調べやすいものとなります。

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