teachingtips2019
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16   長大教員のためのティーチングティップスグループワークの運営キーワード| グループ分け 役割(貢献する立場) 学習環境06① グループ分けの工夫■グループのメンバー全員が活動に貢献しやすくするために、人数を4〜5名程度で編成してみましょう。■メンバーを多様にするために、属性でまとめて並べ、端から順にグループの数(たとえば8グループなら1〜8)を割り当てていく分け方があります。グループ分けはグループワークの成果を左右する重要な事項です。メンバーが多すぎると責任が曖昧になり活動に貢献しない者が出てきてしまう場合があります。一方、少なすぎると、議論を深めたり、多角的に検討したりするグループワークのねらいを達成できない場合があります。適正な人数は活動のねらいによって変化しますが、多くの場合、グループの人数は4〜5名程度がよいでしょう。また、メンバーの資質についても考慮すると、より効果的なグループワークにつながります。多角的な議論を期待してメンバーの属性(たとえば学部)を多様にすることもあれば、前の時間に行ったアンケートの結果から同じ様な考えの者を集めて、グループ間で討論するということも考えられます。③ 学生の役割分担と貢献グループで活動する際に、学生間で貢献の度合いに差が出てしまうことや、役割分担に偏りが生じてしまうことがしばしばあります。これは、学生自身が、どのように貢献できるかのイメージやモデルを持っていないことが原因でもあります。本書には「議論に貢献する立場カード」(p.45)という教材を掲載してあります。そこには議論の際に重要なことを「立場」として分けて紹介しています。もちろんグループワークは議論をするということだけに限るもの② 進行の管理■教員はグループワークの案内人として、やるべきことを明確に指示してください。■グループでの議論がはじまったら、主導権を学生に与えて見守ってあげてください。議論が滞っている場合は、口火を切るようなヒントを与えてあげてください。グループワークがうまく進まない原因のひとつに、教員の指示がしっかりと伝わっていないということがあります。まず、教員自身が学生は何をするべきかを明確にして、「今この時間に具体的に何をやるべきか」ということを指示してあげてください。グループ編成から成果発表など最終的な活動までの全体の流れも共有できると、学生はグループワークの段取りにではなく、議論などの活動そのものに集中して取り組むことができます。また、議論をするには、前提となる知識の獲得と、その知識に関連した具体的なテーマが必要です。教養教育の段階では、議論に適したテーマを明確に与えてあげることも必要です。

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