teachingtips2019
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18   長大教員のためのティーチングティップス学生が自ら調べる授業キーワード| 探究学習 考察 図書館 データベース07① 調べる理由を明確にし、学生に示す■調べる課題を課す理由を学生に説明してください。(先生自身が明確にしてください)■初年次セミナーでは、「大学では自ら調べられるようになる必要がある」と何度も説明してください。大学で学生に調べる活動をさせるのには、「調べるためのトレーニング」「主体的な学生になってほしい」など、さまざまな意図が込められています。しかし、調べる課題に対して、「何も教えてくれない不親切で手を抜いている先生」と思う初年次の学生も残念ながらいるようです。初年次セミナーであれば、「自ら調べられるようになる、調べる方法を学ぶのもこの授業の目標の1つです」と、モジュール科目であれば、「あなた自身の興味と関連させて考えてほしいです。そのためには、人によって読むものは違うので、あなた自身で調べる必要があります」などと、「なぜいま調べないといけないのか」を学生に示していただければと思います。② 事実だけ求めるか、考察も求めるか■初年次の学生には、事実を調べてくるだけでよいのか、考察も必要なのか指示してください。■「調べただけではだめで、自ら考えるために調べた結果を使う」と何度も説明してください。多くの学生は、小学校から高校までの「調べ学習」の授業で、「本に書いてあったことを書き写すだけでほめられる」経験をしています。自らの考えを込めたり、要約したり、重要な点だけを取り出すことはあまりしていません。調べたことと感想を記述する以上の調べ学習は非常に少ないのが現状です。そのため、「大学では事実だけを求められることはあまりなく、通常自らの考えも合わせて示すことが求められる」という教員にとっては当たり前のことを、学生に何度も説明した方がよいでしょう。③ 「考える」ことにつながる課題単純に事実だけを調べさせるとしても、調べた結果、本によって書いていることが違うなど、学生が考える起点とできるものがよいと考えます。また、What(概要)を説明させるのではなく、Why(原因や理由)を説明させたほうが、学生にとっては、何を調べればよいかわかりやすく、教育効果も高いと考えられます。

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