teachingtips2019
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20   長大教員のためのティーチングティップスプレゼンテーションの運営キーワード| プレゼンテーション ポスターセッション 聴衆08① 必要な事柄を明確にする■プレゼンテーションをさせる際は、(1)最低限必要な構成、(2)必ず含めなければならない情報、(3)発表時間や設備などの基本条件とルール、の3点を明確に示してあげてください。プレゼンテーションは、与えられた条件のもとで自らの考えや、まとめられた知識・情報を聴衆にわかりやすく正確に伝達して、受け入れてもらうことを目的にしています。近年は初等・中等教育段階でもプレゼンテーションを経験している学生が多く、慣れている印象があります。しかしながら、多くの学生は、研究者の学術的な研究発表を見たことは無いはずです。大学で目標となるのは、論理的で説得力のある発表をすることですが、モデルが無い状態で自己流の試行錯誤をすることは効率のよい学習方法とは言えません。明確なモデルを示してあげれば、学生にとっては、何をどのように頑張ればよいのかがわかるため、モチベーションも高まります。とは言え、具体的なモデルとなるプレゼンテーションを見せることは簡単ではありません。具体例を見せられない場合でもその授業の課題として先生が求める事柄を明確に示してあげてください。② グループで発表するというのは意外と難しい〈ポスターセッションの進行〉(1)ポスター(大判でなくA4版スライドの「紙芝居」や模造紙への手書きでも可とする)を準備させ、メンバー全員に同じ発表ができるようにさせて、順番も決めておきます。(2)隣の発表者の声が邪魔にならないように距離をとって、発表場所をグループごとに確保します(教室の壁面を活用できるとよい)。大学の授業でプレゼンテーションをさせる場合、1人ずつ全員が発表することは難しく、多くはグループプレゼンテーションの形式となると思われます。受講者の人数と授業目的によっては、それが避けられず、悩みの種になることもしばしばあります。また、グループプレゼンテーションは、それをする側(学生)にとっても難しいものです。発表で複数(あるいは全員)の学生が話す場合、よほど話のつながりや展開を意識できなければ、ぶつ切れの発表になってしまいます。また、発表者以外の貢献、たとえばスライドを作成した学生やリハーサルの時に的確なアドバイスをした学生なども教員には明確になりにくいところがあり、実施と評価の難しさの原因となります。そのような場合は、ポスターセッションの形式で発表させることが1つの解決策になるかもしれません。この方法によって、学生の聴く活動を促すこともできます。

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