teachingtips2019
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6   長大教員のためのティーチングティップスシラバスを書くことで、授業の目標が明確になりますキーワード| カリキュラム シラバス 到達目標 授業設計01① 目標=内容■教養教育(たとえば、モジュール科目)の場合、高校までにどのようなことを学んだのか、研究室やゼミの学生に聞くなどで構いませんので知っておきましょう。■モジュールなどの関係する科目で他の先生が何を教えているのかシラバスを見て確認しましょう。■専門科目の場合、時系列で何を履修してきたのかカリキュラム・マップを見ることで確認しましょう。基本的に、授業の目標と内容は一致させる必要があります。よって、目標に全く関係ないことに授業時間を割くことは適切ではありません。本学において、「大学の理念・教育目標[1]」や、各学部・学科ごとに「理念[2]」「ディプロマ・ポリシー カリキュラム・ポリシー[2]」が定められています。また、科目間のつながり(履修の順序など)を示した「カリキュラム・マップ[4]」も各学部・学科ごとに作成されています。その他JABEE や各モデル・コア・カリキュラム、国家試験の重要性などによって、授業の目標・内容が決まることもあります。つまり、それぞれの科目はポリシーなどと整合している必要がありますが、詳細に各回で講義する内容を規定するわけではないので、目標に向けた展開を考えていけばよいでしょう。② 内容=目標=成績■学生の出来が悪かった場合、「授業のどこを変えればより良くなるのだろう」と思うことも大事です。■授業で全く扱っていないことをテストで測ったとしても、その授業の成績評価には利用できません。■オムニバスの講義では、担当する教員の間で目標に対するそれぞれの役割を話し合っておく必要があります。(教員間で大きな隔たりがないように注意します)■シラバスには「プレゼン 20%、テスト 50%・・」などと成績評価の方法の内訳を示し、この授業の目標を具体的に学生に知らせるようにします。時代のニーズとともに「先生が何を教えたか」だけではなく、「学生が何を修得したか」が重視されるようになりました。そのため、教員が設定した授業の目標に対して、学生がどれくらい達しているのかを評価する必要があります。成績評価は授業の目標に応じて行われるものであり、「目標として授業で扱った内容であっても成績評価には含めなかった」ということがあると、適切とは言えません。医療倫理や技術者倫理などの定着については、知識や技能を測ることとは違って、態度や意識の醸成があったかを測る必要があり、しばしば問題になります。それをテストで確認することは容易ではありませんが、レポートなどの問いを工夫することで大まかに判断することも可能です。

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